学資保険のデメリットとは?いらないと言われる理由と向かない家庭

大学 入学

子どもの教育費を学資保険で貯めるか、貯金やNISAにするか。考え始めると、「学資保険はいらない」「おすすめしない」という声も耳に入ります。その声がおもに指すデメリットは、途中で引き出せないことと、受け取る額が払い込んだ総額をわずかしか上回らないことです。どちらも見方を変えれば、引き落としで確実に貯まり、受け取る額が決まっているという特徴でもあります。決め手は、大学入学の年に確実に用意しておきたい額をいくらにするかと、その月額を払込期間の終わりまで払い続けられるかです。デメリットの大きさと自分の家庭での向き不向きを、0歳加入・18歳満期300万円のモデルケースの実額で確認します。

自分の家庭ではどうなのかを先に知りたい方は、オンライン無料保険相談の『保険ゲート』で、FPに直接質問できます。

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目次

学資保険はいらないと言われる理由。デメリットの全体像

「学資保険はいらない」という声が指すデメリットの中心は、途中で引き出せず解約すると元本割れすること、そして受け取る額が払い込んだ総額をわずかしか上回らず物価上昇に弱いことです。税金や特約は、契約の仕方で避けたり選んだりできる項目です。どれも学資保険の仕組みから来るもので、同じ仕組みが強みになる家庭と、向かない家庭があります。向くかどうかは、大学入学の年に必要な教育費を確実に用意する分・増やす分・いつでも使える分に分けて、学資保険にどこまで任せるかで変わります

挙げられるデメリットの一覧。何が起きるか、メリットになる家庭、向かない条件

学資保険のデメリットとして挙げられる項目ごとに、何が起きるか、同じ特徴がメリットになる家庭、向かない条件を並べると次のようになります。

スクロールできます
デメリット何が起きるか同じ特徴がメリットになる家庭向かない条件
途中で引き出せず、解約すると元本割れする払込期間中に解約すると、戻る額は払込総額を下回る自分の意思だけでは貯め続けにくく、引き落としで確実に貯めたい家庭払込期間中に使う見込みがある。月額に余裕がない
受取額と払込総額の差が小さく、物価上昇に弱い受取額と払込総額の差は18年で約14万円。物価が上がると受け取る額の価値は目減りする決まった額で受け取りたい家庭。親の万一の保障を積立と一体で持ちたい家庭増やすことや物価上昇への備えを学資保険に求めている
受け取るときに税金がかかる場合がある契約者と受取人が違えば贈与税(もらう人にかかる税)。年金形式の分割受取は雑所得(50万円の特別控除なし)で、契約者と受取人が違えば贈与税も重なる契約者と受取人を同じ親にし、一括で受け取る契約(特別控除50万円の範囲に入る)祖父母が契約者で孫が受け取る形。分割受取
特約や保障型で返戻率が100%を下回る医療特約などの保障の分だけ戻る額が減る子どもの保障を積立と一体で持ちたい家庭貯蓄が目的なのに保障を付けている
そのほか(保険会社の破綻・手続き・外貨建て)破綻時は責任準備金等の原則90%まで保護。加入後は引き落としで手間はない。外貨建ては為替で円の受取額が動く為替の変動を受け入れて高めの予定利率を取りたい家庭受取時の為替で円換算の額が減る

返戻率が下がり、預金以外の選択肢が身近になった

「いらない」という声が増えた背景には、返戻率の低下と、選択肢の広がりがあります。返戻率は、受け取る学資金の総額を払い込む保険料の総額で割った割合です。低金利が続く前は、いまより予定利率が高く設定された商品もありました。低金利が長く続いた現在、貯蓄型の学資保険でも100%を少し超える水準が中心です。同じ時期に、2024年の制度拡充で非課税で運用できるNISAが身近になり、教育費の貯め先として預金と学資保険のほかに運用という選択肢が並びました。返戻率を基準にすると学資保険が見劣りする、という声はここから出ています。

受取額と払込総額の差だけで比べると不利に見える。学資保険は保障と確実に貯まる仕組みと、払込を上回る受取額を兼ねる

学資保険は、親に万一があったとき以後の保険料が免除される保障、引き落としで18年引き出さずに積み上がる仕組み、100%を少し超える返戻率の3つを1本で兼ねる商品です。

保障・引き落としで積み上がる仕組み・返戻率のうち、返戻率だけを取り出してNISAと比べれば見劣りし、保障と確実さを取り出して貯金と比べれば上回ります

学資保険は途中で引き出せず、解約すると元本割れする

学資保険の元本割れは、払込期間の途中で解約したときに起きることで、満期まで持てば受取額は契約時に決まった額です。大きさは払込総額を目安にすると自分で測れます。同じ特徴が、自分の意思だけでは貯めにくい家庭では貯蓄が続く仕組みとして働くので、影響の大きさは、その月額を18年払い続けられるかで変わります。

払込期間の途中で解約すると、戻る額は払込総額を下回る

学資保険を途中で解約すると解約返戻金を受け取れますが、払込期間の途中では、その額が払い込んだ保険料の総額を下回るのが普通です。契約の初期は保険会社の事務費用や保障の費用が先に差し引かれるので、加入から数年は戻りが小さく、払い込みが進むにつれて差は縮まります。18歳まで払う契約なら、払い終えるまでの18年近くは元本割れの可能性がある期間です。

貯金なら、途中でおろしても減るのは利息だけで元本は残ります。引き出すと元本が減るという一点が、貯金との差です。

モデルケースで見る、解約したときに戻る額の目安

モデルケースは契約者30歳の親が子ども0歳で加入し、18歳満期に300万円を一括で受け取る契約で、月払い13,228円、払込総額285万7,143円、返戻率105%(仮定値)です。月13,228円に経過月数をかけると、5年目(60か月)で約79万円、10年目(120か月)で約159万円を払い込んでいます。途中で解約したときに戻る額は、その時点の払込総額を下回り、特に加入から数年は下回る幅が大きくなります

学資保険の契約概要(契約前に渡される書面)には、途中で解約した場合の注意書きがあります。学資金の受け取りが始まる前に解約すると、ほとんどの場合、払い込んだ保険料の全額は戻らず、特に契約から短期間での解約では、解約払戻金はまったくないか、あってもごくわずかです。経過年数ごとの解約返戻金の推移は、一般に保険証券かその添付資料に表示され、計算方法は約款に載っています。

解約返戻金の実額は商品と経過年数で違うので、検討中の商品の設計書にある解約返戻金の例を、この払込総額と並べて見てください。戻る額が払込総額の何割かは、設計書の数字で出せます。払えなくなったときには、解約以外の手もあります。

動かせないから確実に貯まる。受け取る時期も進学に合わせて決められる

引き出せないという特徴は、逆に言えば、入学の年まで確実に残るという特徴です。住宅の頭金、車の買い替え、家族の旅行と、働き盛りの世代は使いたい出費が次々に出てくる時期です。そのなかで自分の意思だけで積み立てを続けるのは簡単ではなく、学資保険は引き落としで自動的に積み上がり、途中で引き出すには解約の手続きと元本割れの損が伴います。だからこそ、大学入学の年に300万円が確実にあるという形になります。

受け取る時期も、契約時に進学に合わせて決められます。入学金を払う時期より前に受け取れる設定にしておけば、満期を待って入学手続きに間に合わないという事態も避けられます。

注意が必要なのは、家計の変動が見込まれる家庭と月額に余裕がない家庭。負担にならない備え方

学資保険に回すお金を払込期間中に使う見込みがある家庭と、月額に余裕がなく払込が苦しくなれば解約に追い込まれる家庭では、このデメリットが負担になります。住宅購入や転職、2人目の誕生で家計が変わる可能性が高いほど、途中解約の元本割れに出会う確率は上がります。

学資保険の月額は、家計が変わっても無理なく続けられる額にしておきます。急な出費の備えは、いつでも引き出せる貯金で別に持ちます。契約前に確認したいのは、その月額を払込期間中に引き出す予定のないお金として置けるかどうかです。

学資保険は受取額と払込総額の差が小さく、物価上昇に弱い

受け取る額が払込む総額よりわずかしか多くならないことも、学資保険のデメリットとして挙げられます。モデルケースでは受取額と払込総額の差が18年で約14万円にとどまり、物価が上がり続ければ受け取る300万円の価値は目減りし、同じ月額を運用に回した場合との差も計算上は出ます。ただし学資保険の300万円は値動きで目減りせず、返戻率は親の万一の保障込みの数字です。この差額と物価上昇への備えをどこまで学資保険に求めるかで、このデメリットの重さは家庭ごとに変わります。

返戻率は100%を少し超える水準。受取額と払込総額の差は18年で約14万円

モデルケースの返戻率は105%(仮定値)で、払込総額285万7,143円に対して受け取る学資金は300万円、その差は約14万円です。月に直すと660円ほど。同じ300万円を利息を考えずに貯金で貯めると、0歳から18年で月13,889円、およそ月1.4万円のペースになります。学資保険の月13,228円との差が、18年で約14万円になる、という大きさです。返戻率だけで学資保険を選ぶには小さい差で、「いらない」という声が受取額と払込総額の差の小ささを指すときの根拠はここにあります。

物価上昇が続くと、受け取る300万円の価値は目減りする

受取額が300万円に固定されていることは、物価が上がる局面では弱点になります。仮に物価が年2%ずつ18年上がり続けるとします。1.02を18回かけた値は約1.428で、300万円を1.428で割った約210万円が、18年後の300万円がいまの価値でいくらに当たるかの目安です。年2%は日本銀行が物価安定の目標とする水準で、実際の上昇率がこのとおり続くとは限らず、あくまで仮定の計算です

大学の学費が物価と同じ率で上がるとも限りません。ただ、18年後に300万円で足りる保証はない、という点は、受取額が確定している商品の裏側として押さえておく必要があります。

同じ月額をNISAで積み立てた場合との差

NISAは、一定額まで非課税で運用できる制度です。モデルケースと同じ月13,228円を、想定利回り年3%で18年積み立てると、約378万円になる計算です(月複利・期末積立の仮定。元本は約286万円)。学資保険の300万円と比べて約78万円の差が出ます

学資保険とNISAの違いの図解。0歳から18歳まで毎月定額で約286万円を払い込んだ場合、学資保険の受取金額は300万円で確定。NISAは年3%の利回りを想定すると約378万円の見込みだが、元本を下回るリスクもある

この378万円は仮定の利回りが18年続いた場合の数字で、運用には値動きがあり元本保証はありません。入学の年に相場が下がっていれば、元本を下回ることもあります。資産運用でどこまで増やせるかという上限と、入学の年に確実にある額という下限のどちらを重視するかの違いで、どちらか一方が正解という種類の差ではありません

受取額が確定しているから値動きで目減りしない。返戻率には親の万一の保障が含まれている

学資保険の300万円は、契約時に決まった額が入学の年にそのまま入ります。相場が下がっていても変わらず、入学の年に使う額としては、この確定が強みです。

加えて、返戻率105%は親に万一があったときの払込免除の保障込みの数字で、同じ月額の積立にはこの保障が付きません。返戻率を比べるときは、学資保険側に保障の分が上乗せされていると見て初めて同じ土俵になります。

向かないのは、受取額を大きく増やすことと物価上昇への備えを学資保険に求める家庭

教育費を増やしながら貯めたい、物価上昇に負けない形で持ちたい、と考えている家庭には、学資保険は向きません。受取額の伸びが小さく、その目的には運用で持つほうがかないます。

逆に、入学の年にこの額は確実にあってほしい、と決めている家庭では、受取額と払込総額の差の小ささは気にする必要がありません。増やす分を重視する家庭でも、全額を学資保険にせず、確実に用意する分だけを学資保険で持ち、残りの教育費を運用に回す選択肢があります。

契約の仕方で変わるデメリット。税金・特約・払い方・外貨建て

税金がかかる、特約で損をする、という話は、学資保険そのものの問題というより、契約の段階の選び方で避けたり選んだりできるデメリットです。受け取るときの税金は契約者と受取人を同じにして一括で受け取れば課税されにくく、特約を付ければ返戻率は下がり、年払いや全期前納にすれば上がります。会社や商品で変わるのは返戻率・受け取る時期・払込期間・保障の有無の4点で、販売元の種類では決まりません。自分の契約で確認するのは、受取人を誰にするか、特約を付けるか、どう払うか、そして設計書で返戻率などの4点がどうなっているかです。

受け取るときの税金は、契約者と受取人が同じで一括なら課税されにくい

学資金を受け取るときの税金は、契約者と受取人が同じかどうかで分かれます。契約者と受取人が同じ親で満期に一括で受け取るなら一時所得です。50万円の特別控除があるため、受取額から払込総額を引いた差が50万円以内なら課税される所得は生じません国税庁タックスアンサーNo.1755No.1490)。モデルケースではこの差が約14万円で、50万円を下回ります。

契約者と受取人が違う契約、たとえば祖父母が契約者で孫が受け取る形は、一括でも分割でも贈与税の対象です(国税庁タックスアンサーNo.4402)。分割で受け取る場合は、受け取る権利に贈与税がかかったうえで、毎年受け取る年金にも所得税がかかります。契約者と受取人が同じでも、学資年金のように分割で受け取る形は雑所得になり、50万円の特別控除は使えません。

学資保険の受け取りにかかる税金の種類の図解。契約者と受取人が同じ親で一括受取なら一時所得で50万円の特別控除があり、分割で受け取ると雑所得で特別控除なし。契約者と受取人が違う場合は一括でも分割でも贈与税の対象で、分割は毎年の年金に所得税もかかる

払っている間は生命保険料控除で税金が軽くなる

学資保険の保険料は一般の生命保険料控除の対象で、控除額の上限は所得税4万円、住民税2万8,000円です(国税庁タックスアンサーNo.1140)。2026年分の所得税に限り、23歳未満の扶養親族がいる世帯は所得税の上限が6万円に引き上げられています。貯金やNISAの積立には付かない、払っている間の上乗せです。

医療特約などを付けると返戻率は100%を下回る。特約の要否と学資保険そのものの要否は別

子どもの医療特約や親の死亡保障を特約で付けた保障型は、保障の費用の分だけ戻る額が減り、返戻率は100%を下回るのが普通です。「学資保険は元本割れする」という声には、この保障型を指しているものもあります。

子どもの医療費には、すべての自治体に子ども医療費助成があり、対象年齢など内容は自治体で異なります。医療特約を付けるかどうかは、この助成の範囲と、別の医療保険の有無で決める話で、学資保険そのものを選ぶかどうかとは別の話です。貯蓄が目的なら、特約を付けない貯蓄型を選べます

年払いや全期前納は返戻率が上がる一方、まとまった資金と据置期間中の扱いに注意

月払いを年払いにしたり、全期間の保険料を契約時にまとめて払う全期前納にしたりすると、保険会社が保険料を運用できる期間が長くなる分、返戻率は上がります。代わりに、まとまった資金を先に出す形です。全期前納のあと途中で解約した場合の未経過分の扱いは商品ごとに違うので、前納を検討するなら、解約時にどう戻るかを保険会社に確認してください。

満期金や祝金を受け取らずに保険会社に置いておく据え置きは、前納とは別の制度で、利息の有無や利率は商品ごとに違います。

外貨建てや会社・商品による違い。決まるのは返戻率・受取時期・払込期間・保障の有無

外貨建ての保険を学資の準備に使う場合は、円建てより予定利率が高めの傾向がある一方、受け取るときの為替で円換算の受取額が増えも減りもします。入学の年に円でいくら受け取れるかは確定しません

会社や商品で変わるのは、返戻率、受け取る時期と回数、払込期間、保障の有無の4点で、どれも商品ごとに決まります。郵便局やJAの窓口で入るか、生命保険会社や保険代理店で入るかという販売元の種類では決まりません。検討中の商品は、設計書でこの4点を見てください。

学資保険の必要性が高い家庭、低い家庭。いくら任せるかで決まる

学資保険に入るかどうかは、大学入学の年にまとまって必要になる教育費のうち、いくらを学資保険に任せるかで決まります。その教育費は、確実に用意する分、増やす分、いつでも使える分の3つに分けて持て、学資保険は確実に用意する分を持つ手段です。必要性の高さは、確実に用意しておきたい額をいくらにするかと、その月額を払込期間の終わりまで払い続けられるかで決まります。

大学入学の年に必要な教育費は、確実に用意する分・増やす分・いつでも使える分に分けて持てる

大学入学の年には、国公立で約170万円、私立で約234万〜272万円がまとまって要ります(日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査」)。300万円前後を0歳から別枠で用意するのが目安です。

この300万円を1つの財布で持つ必要はありません。入学の年に確実にあってほしい額、増やす額、途中で使えるようにしておく額の3つに分けて持てます。どの額をどの分に振るかは家庭ごとに違います。

学資保険は確実に用意する分を持つ。親に万一があっても入学の年にその額が確保される

学資保険で持つのは、3つのうち確実に用意する分です。引き落としで18年引き出さずに積み上がり、受取額は契約時に確定し、親に万一があれば以後の保険料が免除されて学資金は予定どおり受け取れます。確実に用意する分を学資保険で持つとは、入学の年にその額があることを、家計の変化と親の万一の両方に対して確保しておく、という意味です。払っている間の生命保険料控除も、この形で得られるものの1つです。

途中で引き出せず解約すると元本割れするというデメリットは、学資保険で持つ確実に用意する分に、いつでも使えるようにしておきたい額まで入れたときに負担になります。受取額と払込総額の差が小さいというデメリットは、同じく確実に用意する分に、増やす額まで入れたときに影響が大きくなります。どちらも、学資保険に任せる範囲を確実に用意する分に限れば、問題は出ません

確実に用意しておきたい額がいくらかで、必要性の高さが決まる

学資保険の必要性は、入学の年に確実にあってほしい額の大きさに比例します。その額が大きいほど必要性は高く、増やす分やいつでも使える分で持ちたい額が大きいほど低くなります。

確実に用意しておきたい額がゼロに近い家庭もあります。すでに教育費に困らない貯蓄がある、親の万一に備える死亡保険が別に十分ある、増やす分で持つと決めている、という家庭では、学資保険の必要性は低くなります。反対に、入学の年の額を家計の変化と親の万一に関わらず持ちたい家庭では、必要性は高い側です。これらの条件のすべてに強く当てはまる家庭は限られ、多くの家庭は一部にだけ当てはまります

その額の月額を、払込期間の終わりまで払い続けられるか

確実に用意しておきたい額が決まったら、その額の月額を払込期間の終わりまで払い続けられるかを確認します。モデルケースの300万円なら月13,228円を18年です。住宅購入や転職で家計が変わる可能性を見込んでも、この月額を続けられる見通しが立つなら、元本割れのデメリットは問題になりません。

見通しが立たないなら、確実に用意しておく額のほうを下げます。手取りから固定費と生活費を引いた残りで続けられる月額を先に決め、そこから回す額を決める順番でも構いません。

学資保険に任せる額の決め方のフローチャート。入学の年に確実に用意しておきたい額が大きいか、毎月の保険料を払込期間の終わりまで払い続けられるかの2つで判定し、確実に用意したい額を払い続けられる保険料の範囲で学資保険に任せる

多くの家庭は貯め方を組み合わせている。預金53.3%・学資保険38.5%・運用25.3%

ソニー生命の「子どもの教育資金に関する調査2026」は、高校生以下の子どもの親748名に、大学等への進学資金の準備方法を複数回答で聞いています。結果は銀行預金が53.3%、学資保険が38.5%、株式や投資信託などの資産運用が25.3%でした。

確実に用意する分を学資保険で、いつでも使える分を預金で、増やす分を運用で、という分け方は、これらの方法の組み合わせに役割を決めたものです。

確実に用意しておく額を下げる・払込期間を変える。調整で必要性は変わる

条件に一部だけ当てはまる家庭は、学資保険に任せる範囲を調整すれば、合う形にできます。調整は、確実に用意しておく額を下げて浮いた分を預金や運用に回すか、払込期間を変えて月額や返戻率を家計に合わせるかで行います。どちらも、月額を無理なく続けられる額に収めるための手です。入学の年の額を確実に持ちたい思いが強いほど学資保険で持つ額を大きく、増やしたい・使えるようにしておきたい思いが強いほど小さく、の調整になります。

確実に用意しておきたい額をいくらにするか、その月額を18年続けられるかを自分の家計の数字で確かめたい方は、オンライン無料保険相談の『保険ゲート』で、ライフプラン表を作りながら試算してもらえます。

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学資保険の代わりになる方法と、組み合わせ方

学資保険を使わないなら何で貯めるか、組み合わせるならどう分けるか、NISAとどちらがよいか。代わりになる手段は預貯金、NISA、低解約返戻金型終身保険で、それぞれ確実に用意する分・増やす分・いつでも使える分のどれを持てるかが違います。NISAとどちらかは二者択一ではなく、確実に要る部分と上乗せ分の役割分担で答えが出ます。学資保険を持たない場合に確認したいのは、親の万一の備えが別にあるかどうかです。

預貯金・NISA・低解約返戻金型終身保険は、確実に用意する分・増やす分・いつでも使える分のどれに向くか

預貯金は、いつでも引き出せて元本が減らない代わりに、利息による増え方はわずかで、親に万一があればその時点の残高で止まります。いつでも使える分を持つ手段です

NISAは、一定額まで非課税で運用でき、値動きがあって元本保証はありません。増やす分に充てる手段で、入学の年にいくらあるかは確定しません

低解約返戻金型終身保険は、払込期間中の解約返戻金を抑えて保険料を割安にした、親の終身の死亡保険です。払込後の解約返戻金を学資に充てる使い方があり、確実に用意する分を持つ手段になります。ここで挙げた手段のうち、親の万一の保障を貯蓄と1つの契約で兼ねられるのは、学資保険とこの低解約返戻金型終身保険です。

教育費の貯め方の方向性の図解。土台となる確実に用意する分は学資保険と低解約返戻金型終身保険が持ち、上に乗る増やす分はNISA、いつでも使える分は預貯金が持つ。貯蓄性と親が亡くなった場合の保障を兼ねるのが保険の役割

NISAとどっちか。確実に要る部分と上乗せ分の役割分担

NISAと学資保険は、どちらか1つを選ぶ関係ではありません。入学の年に確実にあってほしい額は学資保険か貯金で確保し、その上に増やす分をNISAで積む、という役割分担です。たとえば、学資保険とはの記事の例のように、300万円のうち200万円を学資保険で確保し、残りの100万円を児童手当の積立や貯金、余裕があればNISAに振り分ける形です。

確実に要る部分をNISAで持つと、入学の年に相場が下がっていたときに足りなくなる可能性を、教育費で負うことになります。上乗せ分なら、下がっていても確実に要る部分は別にあるので、待つか減った額で受け取るかを選べます。どこまでを確実に要る部分と見るかが、配分の分かれ目です。

学資保険を持たない場合に確認すること

学資保険を持たずに貯金と運用で教育費を持つなら、加入している死亡保険の保障額に大学入学の年の教育費が含まれているかを確認しておきます。含まれていなければ、死亡保険の保障額を見直すか、学資保険か低解約返戻金型終身保険で確実に用意する分を持つかのどちらかです。

すでに加入している学資保険を、やめたほうがいいか迷ったら

加入したときと家計が変わり、やめたほうがいいのか迷う場面があります。いま解約すると減る額を設計書か保険会社で確認したうえで、確実に用意しておきたい額がいまもあるか、残りの払込を続けられるかが決め手です。払い続けられないなら解約の前に減額・払済・契約者貸付があり、受取額の伸びへの不満だけなら解約せず満期まで持つほうが戻らない分は小さく、解約が選択肢になるのは条件がそろったときに限られます

いま解約したときの元本割れの額を、設計書か保険会社で確認する

手順は3つです。

STEP
これまでの払込総額を出す

これまでの払込総額を出します。月額に経過月数をかけた額で、モデルケースなら月13,228円×60か月で5年目に約79万円、×120か月で10年目に約159万円です。

STEP
解約返戻金を設計書か保険会社で調べる

加入時の設計書にある解約返戻金の例から、いまの経過年数に近い行の額を読みます。設計書が手元にないときは、保険会社に現時点の解約返戻金額を問い合わせれば出ます。

STEP
払込総額から解約返戻金を引く

払込総額から解約返戻金を引いた額が、いま解約したときに減る額です。

元本割れの額は、払込総額に対する割合でも見ておきます。加入から数年は割合が大きく、払い込みが進むほど縮む形です。これから契約する人は、設計書で受取額と時期だけでなく、途中の解約返戻金の例も見ておくと、あとで思ったより戻らないと感じずに済みます。

払い続けられないなら、解約の前に減額・払済・契約者貸付

月額が重くなったときは、解約の前に取れる手が3つあります。保険料を下げる減額(受け取る学資金もその分減ります)。以後の払い込みをやめ、それまでの払込分に応じた学資金に切り替える払済で、以後の保険料はゼロになり契約は続きます。解約返戻金の範囲で保険会社から借りる契約者貸付で、利息はかかりますが契約は続き、一時的な資金不足をしのげます。

どれが使えるかと条件は商品ごとに違うので、払えなくなりそうな段階で早めに保険会社に確認してください。

戻ってくる額が小さいことへの不満だけなら、解約せず満期まで持ち、新しい積立を別の方法へ

NISAのほうが増えると知って解約したくなった、という場合は、払い続けられる限り解約しないほうが元本割れの額は小さくなります。いま解約すれば払込総額との差を確定で失い、満期まで持てば返戻率105%の300万円を受け取れるからです。増やしたい分は、これから始める新しい積立をNISAなどの増やす分に回せば足ります。すでに払い込んだ分を取り崩して運用に回す形は、確実に用意する分を減らし、元本割れの損も抱える二重の負担になります。

解約が選択肢になる条件

解約が選択肢に入るのは、次の条件がそろったときです。入学の年に確実に用意しておきたい額がもう無い(貯蓄や死亡保険で足りる)。残りの払込期間が長く、このまま続ける負担のほうが重い。いま解約で減る額が小さい(加入からの年数が浅く払込総額そのものが小さい、または払込総額と解約返戻金の差が小さい)。

条件がどれか1つだけなら、減額や払済で契約を残す選択が先にあります。3つがそろって初めて、解約して残りの払込をほかの分に回す選択が、続ける選択と並びます。

まとめ 学資保険のデメリットは、自分の家庭に当てはまるかで測る

学資保険のデメリットの中心は、途中で引き出せず解約すると元本割れすることと、受取額と払込総額の差が小さく物価上昇に弱いことです。どちらも見方を変えれば、確実に貯まり受取額が決まっている特徴です。当てはまるかは、大学入学の年に確実に用意しておきたい額と、その月額を18年払い続けられるかで決まり、学資保険に回す額の調整で必要性は変わります。貯金やNISAとは役割を分けて組み合わせ、加入済みなら解約の前に減額・払済・契約者貸付を確認する順番です。自分の家庭の数字で確認したい方は、FPに家計ごと見てもらうと決めやすくなります。

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この記事を書いた人

営業拠点73支店、取扱保険会社47社、コンサルタント1,700名超、実績10万件超、保険代理店のファイナンシャルアライアンス株式会社です。
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