学資保険とは?仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説

学生 卒業

学資保険とは、子どもの教育資金を準備するための貯蓄型の保険です。子どもの誕生や妊娠をきっかけに親や保険会社、郵便局の窓口から勧められて初めて向き合うことになりますが、保険なのか貯金なのか、月いくら払って満期にいくら戻るのかは名前だけでは分かりません。同じ額を貯金やNISAで持つのと何が違うのか。仕組みと返戻率の計算、月々の保険料の相場、貯金と比べたメリット・デメリットを、教育費の実額と並べて確かめられるように解説します。

自分の家庭の目標額や月額を先に知りたい方は、オンライン無料保険相談の『保険ゲート』で、ライフプラン表の作成から教育費の見通しを確かめられます。

目次

教育費はいつ・いくら必要か。みんなはどう貯めているか

幼稚園から高校までの教育費は公立なら月3万円台で、月々の家計から払える水準です。山は大学入学の年に来て、国公立でも約170万円、私立なら230万〜270万円が一度に要る額です。この分を300万円前後を目標に0歳から別枠で積み立てると月およそ1.4万円のペースで、児童手当だけで8割に届きます。積立には銀行預金と並んで約4割の家庭が学資保険を使っており、保険料の重さはこの数字と並べると見えてきます。

教育費の山は大学入学時にくる。幼稚園から高校までは月々の家計から

幼稚園から高校までの教育費は、総額で見ると大きくても、月々に直すと家計から払える水準に収まります。文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、幼稚園3歳から高校3年までの15年間の学習費総額は、すべて公立に通った場合で約614万円、すべて私立なら約1,969万円です。学習費には授業料や給食費のほか、塾や習い事など学校外の費用も含みます。すべて公立の614万円を15年で割ると1年あたり約41万円、月3万4,000円ほど。毎月の生活費の中で払っていける金額です。

様子が変わるのが大学入学の年です。日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査」(2021年10月調査)によると、入学の年にかかる費用は次のとおりでした。入学費用は受験費用や入学金など入学時に支払う費用、1年目の在学費用は授業料や通学費などを指します。

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進学先入学費用1年間の在学費用入学の年の合計
国公立大学67.2万円103.5万円約170万円
私立大学(文系・理系)81.8万〜88.8万円152.0万〜183.2万円約234万〜272万円

入学の年だけで170万〜270万円。幼稚園から高校までは平均して月3万円台で流れていた教育費が、18歳の春に一度に要る形になります。教育費の山はここです。

幼稚園から大学入学までの教育費の図解。幼稚園から高校まですべて公立の場合は年約41万円(月3万4,000円)で、大学入学の年は国公立で約170万円、私立で約234万〜272万円。教育費の山は大学入学の年にくる

大学入学までに300万円前後を別枠で用意する

入学の年に要る170万〜270万円は、月々の家計から出すには大きすぎる額です。そこで、幼稚園から高校までの費用は月々の家計で払い、大学入学の年の分だけを生まれたときから別枠で積み立てる、という分け方が目安になります。目標額は300万円前後。国公立の約170万円はもちろん、私立の約234万〜272万円でも、入学の年の費用ならまかなえる額です。

2年目以降の授業料は、子どもが大学生になったあとの家計と、足りなければ奨学金や教育ローンで補う部分です。別枠で用意するのは山の部分だけ、と切り分けておくと、目標額が膨らみすぎません。

普通に貯めると月いくらのペースか。児童手当をそのまま貯めた場合

300万円を、子どもが0歳のときから18歳までの216か月で貯めると、月13,889円。およそ月1.4万円のペースです。利息を考えなければ、貯金でも学資保険でも、この「月1.4万円を18年」が教育費の山に備える基本のペースになります。

月1.4万円を、ゼロから家計に上乗せする必要はありません。児童手当があるからです。2024年10月の制度改正後、児童手当は3歳未満が月1万5,000円、3歳から高校生年代(18歳になったあと最初の3月31日)までが月1万円です。第3子以降は月3万円で、所得制限はありません(こども家庭庁「児童手当制度のご案内」)。第1子・第2子の場合、3歳未満の36か月で54万円、その後の高校卒業までで180万〜190万円、合計でおよそ240万円前後です(誕生月によって支給月数が変わります)。児童手当に手をつけずに貯めるだけで、300万円の8割に届く計算になります。

児童手当を保育料やおむつ代に充てている家庭では、月1.4万円を別に積み立てることになります。児童手当の月額と月1.4万円が近い水準にあることは、学資保険の保険料を見るときの物差しになります。

学資保険に入っている家庭の割合と、月々の積立額の平均

ほかの家庭はどう貯めているのか。ソニー生命の「子どもの教育資金に関する調査2026」は、2026年2月に大学生以下の子どもがいる親1,000名を対象に行われた調査です。そのうち高校生以下の子どもの親748名に、大学等への進学資金の準備方法を複数回答で聞いたところ、銀行預金が53.3%、学資保険が38.5%、株式や投資信託などの資産運用が25.3%でした。預金と並んで、およそ4割の家庭が学資保険を使っています。

月々の額も同じ調査にあります。進学費用のための備えとして子ども1人あたり月いくら支出しているかを聞くと、学資保険と積立を合わせた平均は1万5,684円でした。支出が0円の家庭が36.4%ある一方、1万円から1万4,999円が15.2%、2万円から2万9,999円が15.6%、3万円以上も16.9%と、貯めている家庭の多くは月1万〜3万円の幅にいます。0歳から18年で300万円を貯めるときの月1.4万円は、この分布では1万円から1万4,999円の帯に当たる金額です。教育費の山に向けて別枠で積み立てる手段として、貯金と並んで学資保険が使われています。

学資保険とは?仕組みをわかりやすく解説

学資保険は、親が契約者、子どもが被保険者になって保険料を積み立て、進学の時期に学資金を受け取る貯蓄型の保険です。受け取り方は大学入学時の一括、進学ごとの祝金、在学中の年金形式から選びます。積立貯金と似ていますが、契約者である親に万一のことがあれば以後の保険料が免除され、学資金は予定どおり受け取れる点が貯金にはない要素です。医療保障などを特約で付けた保障型では、その分だけ戻る額が減ります。

契約者は親、被保険者は子ども。受取人は原則として契約者

学資保険では契約者が親(または祖父母)、被保険者が子ども、受取人は原則として契約者である親です。学資金の受け取り時期は被保険者である子どもの年齢で決まり、親に万一があったときの払込免除は契約者を基準に働きます。

受取人を子どもにもできますが、契約者と受取人が違うと、受け取るときの税金が所得税から贈与税に変わります。特別な事情がなければ、契約者と受取人は同じ親にしておく形が基本です。

保険料を払い込み、進学の時期に学資金(祝金・満期保険金)を受け取る

お金の流れは、払い込む期間と受け取る時期の2段です。契約時に、保険料をいつまで払うか(払込期間)と、学資金をいつ、どの形で受け取るかを決め、あとは毎月、口座から保険料が引き落とされます。払込期間は子どもが18歳になるまでのほか、10歳や15歳までなど短く設定できる商品が一般的です。

受け取り方は商品によりますが、大きく3通りあります。大学入学時に満期保険金として一括で受け取る形、中学や高校の入学ごとに祝金を受け取り残りを大学入学時に受け取る形、大学在学中の4年間に分けて年金のように受け取る形です。受け取る時期が遅いほど、同じ保険料でも受け取る総額は増えます。

学資金を受け取る時期の図解。代表的な3通りは、大学入学時に一括で受け取る、中学・高校の入学ごとに祝金を受け取り残りを大学入学時に受け取る、大学在学中の4年間に分けて受け取る。受け取り総額は受け取る時期が遅いほど増える傾向

1つ注意があります。満期保険金は満期日を過ぎてから受け取るので、18歳満期にすると、誕生月と契約日の関係によっては大学の入学手続きに間に合いません。早生まれの子どもや推薦入試を見込むなら、17歳満期にするなど、入学金を払う時期より前に受け取れる設定にしておきます。

親に万一のことがあれば、以後の保険料は免除される

学資保険と貯金の大きな違いがここにあります。契約者である親が払込期間中に死亡したり、保険会社の定める高度障害状態になったりした場合、それ以後の保険料の払い込みは免除され、学資金は契約どおりの時期に、契約どおりの額で受け取れます。

貯金で同じ場面を考えると、積み立てが止まった時点の残高しか残りません。0歳で始めて5歳のときに親に万一があれば、貯金なら5年分の80万円余りで止まりますが、学資保険なら18歳のときに300万円が受け取れます。この保障は学資保険の保険料に初めから織り込まれていて、別に保険料を払う必要はありません。保障の分だけ積立に回る割合は下がりますが、貯蓄型の学資保険では、それでも受け取る額が払込総額を上回る設計の商品が一般的です。

貯金と学資保険の違いの図解。大学に入る18歳までに300万円を積み立てる場合、5歳のときに親に万一があると貯金は約83万円で止まるが、学資保険は満額300万円を受け取れる

貯蓄型と保障型。医療保障などを付けると戻る額は減る

学資保険には、学資金の積み立てに絞った貯蓄型と、子どもの入院や手術の保障、親の死亡保障などを特約で上乗せした保障型があります。保障を付けると保険料の一部がその保障の費用に回るので、受け取る学資金の総額は払込総額を下回るのが普通です。損得ではなく性質の違いで、保障型は「学資金を積み立てながら、保険としての保障も持つ」商品です。

学資保険の返戻率とは?月々の保険料はいくらか

返戻率は、払い込む保険料の総額に対して受け取る学資金が何%かの数字です。18歳まで払う契約なら、貯蓄型の相場は100%を少し超える水準です。0歳加入で18歳に300万円を受け取る場合、18歳まで払うと月1万3,000円台で返戻率105%、10歳で払い終えると月2万3,000円台で108%(仮定値)。貯金の月1.4万円とほぼ同じ月額で、増え方の差は18年で十数万円です。払込期間や受取時期、祝金、まとめ払い、保障の付加で上下します。

返戻率の計算式。受け取る学資金の総額を払い込む保険料の総額で割る

返戻率(%)=受け取る学資金の総額÷払い込む保険料の総額×100。たとえば払込総額が約286万円で、満期保険金として300万円を受け取るなら、300万円÷286万円で返戻率は約105%です。

返戻率は商品と契約条件で決まり、同じ商品でも払込期間や受取時期で変わります。18歳まで払う契約なら、貯蓄型の学資保険の相場は払込総額をわずかに上回る水準、つまり100%を少し超える程度です。この記事では相場の代表値として、18歳まで払う場合を105%、10歳で払い終える場合を108%と仮定して計算します。実際の数字は商品の設計書で確認してください。

0歳で加入し18歳で300万円を受け取る場合の月額と返戻率

モデルケースは、契約者が30歳の親、子どもは0歳で加入、18歳満期に300万円を一括で受け取り(祝金なし)、保険料は月払いとします。払込期間は18歳までと10歳までの2通りです。

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貯め方払込期間返戻率払込総額月々の金額300万円との差
貯金で貯める18年(216か月)100%300万円13,889円0円
学資保険(18歳まで払う)18年(216か月)105%(仮定)285万7,143円13,228円約14.3万円
学資保険(10歳で払い終える)10年(120か月)108%(仮定)277万7,778円23,148円約22.2万円

同じ300万円を用意するのに、貯金なら月13,889円、学資保険で18歳まで払うなら月13,228円。月々の負担はほとんど変わらず、18年で受け取る額が約14万円多くなります。10歳で払い終える形にすると、返戻率は108%に上がり払込総額は約22万円減りますが、月々の保険料は2万3,000円台と1万円近く重くなります。早く払い終えるほど返戻率は上がり、月額は重くなる。この関係は、どの商品でも方向は同じです。

増え方の差は小さい。学資保険の持ち味は親の万一の保障と、確実に貯まる仕組み

普通に貯めた場合の払込総額300万円と、学資保険で18歳まで払う場合の約286万円、10歳で払い終える場合の約278万円との差は14万円と22万円。月に直すと660円から1,000円ほどです。学資保険にするか貯金にするかを増え方だけで決めるには、小さな差です。増え方を重く見る方にとってもこの差は材料の1つで、決め手の重さは別の2つにあります。

1つは、親に万一があったときの払込免除です。親に万一があったあとも学資金が予定どおり受け取れる保障が、返戻率105%の中に含まれています。保障の費用を別に払って105%なのではなく、保障込みで105%です。

もう1つは、毎月決まった日に口座から引き落とされ、18年後まで動かさない仕組みそのものです。働き盛りの世代には、住宅の頭金、車の買い替え、家族の旅行と、使いたい出費が次々に出てきます。毎月1万4,000円を18年間、自分の意思だけで貯め続けると決めても、実際にやり通せる人は多くありません。学資保険の保険料は引き落としで自動的に積み上がり、途中で引き出すには解約という手続きと元本割れの損が伴います。だからこそ、大学入学の年に300万円を確実に用意できる、という点に価値があります。

返戻率は何で上下するか。払込期間・受取時期・祝金・まとめ払い・保障の付加

返戻率を動かす要素は5つあり、いずれも保険会社が保険料を運用できる期間の長さに関わります。

上がる方向に働くのは、払込期間を短くする、受取時期を遅くする、祝金を受け取らず一括にする、月払いより年払いや一時払いでまとめ払いにする、の4つです。モデルケースの105%と108%の差も、この払込期間の短縮から生まれます。反対に、医療特約や親の死亡保障を付けると下がり、保障型では100%を下回るのが普通です。加入時の契約者と子どもの年齢が若いほど、返戻率は高くなります。

貯金やNISAと何が違うか。学資保険が向くかどうかの決め方

返戻率の差が小さいなら貯金でいいのでは。貯金と学資保険の違いは、親に万一があったときの備え、引き落としで確実に貯まるか、増え方と物価上昇への強さの3つで、NISAも同じ3つで見比べられます。払込期間中の解約は元本割れなので、契約前に確かめるのは途中で使わないお金かどうかの1点。向く度合いは保障の要否、続けられる月額、求める増え方の3つの問いで決まり、全額を1本にせず貯金や運用と組み合わせるのが現実的です。

貯金との違いは、親の万一の保障・確実に貯まること・増え方の3つ

同じ月1.4万円を18年積み立てるとして、貯金、学資保険、NISAで何が違うかを並べると次のようになります。

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比べる点貯金(預金)学資保険NISA(投資)
親に万一があったときその時点の残高で止まる以後の保険料が免除され、学資金は予定どおりその時点の残高で止まる
途中で使えるかいつでも引き出せる払込期間中に解約すると元本割れ。引き出しにくいいつでも売却できる
増え方普通預金ではほとんど増えない払込総額をわずかに上回る(仮定105%)値動きがあり、増える期待はあるが元本保証はない
物価上昇への強さ弱い弱い(受取額は契約時に確定)相対的に強い

NISAは、株式や投資信託を一定額まで非課税で運用できる制度で、値動きがあるので増える期待はあるものの元本保証はありません。

学資保険ならではの強みは、親の万一の保障です。加えて、途中で引き出しにくい設計が確実な積立を後押しします。増え方で上回るのはNISA、いつでも引き出せる自由さでは貯金が上です。

途中で解約すると元本割れ。何年目まで続くのが普通か

学資保険を途中で解約すると解約返戻金を受け取れますが、払込期間の途中では、その額が払い込んだ保険料の総額を下回るのが普通です。契約の初期は保険会社の事務費用や保障の費用が先に差し引かれるので、加入から数年は戻りが特に小さく、払い込みが進むにつれて差は縮まり、払込期間を終えてしばらく経つと払込総額を上回ります。18歳まで払う契約なら、払い終えるまでの18年近くは元本割れの可能性がある期間、と考えておくのが現実的です。

契約前に確かめることは1つです。その月額を、払込期間中に引き出す予定のないお金として置けるか。住宅購入や転職で家計が変わる可能性を見込み、それでも続けられる額にしておけば、元本割れに出会わずに済みます。

学資保険が向くかどうかの決め方(保障の要否・続けられる月額・求める増え方)

学資保険が自分の家庭に向くかどうかは、必要か不要かの二択ではなく、次の3つの問いで度合いが決まります。

  • 親の万一の保障を、積立と一体で持ちたいか。世帯の収入が1人に寄っていて、死亡保険にまだ入っていない、または保障額が少ない家庭ほど、払込免除の価値は大きくなります。すでに十分な死亡保険があるなら、この点での必要性は下がります。
  • その月額を払い続けられ、途中で使わずにおけるか。月1万3,000円前後を18年、あるいは2万3,000円前後を10年、家計が変わっても続けられるか。続けられる見通しが立つほど学資保険は向き、収入の変動が大きい家庭は、月額を低めに抑えるか、貯金の比率を上げるほうが合います。月々いくらなら18年続くかは、手取りから固定費と生活費を引いた残りから逆算してみてください。
  • 増え方をどこまで求めるか。受取額が確定している安心を優先するなら学資保険の必要性は高く、物価上昇に負けない増え方まで求めるなら、学資保険だけでは足りません。

3つの問いを通して見ると、保障と確実さを重く見る家庭ほど向く度合いが高く、増え方と自由度を重く見る家庭ほど低くなります。どちらか一方に寄せる必要はなく、次の持ち方が現実的です。

全額を学資保険にしない。貯金や運用と組み合わせる持ち方

教育費の山の全額を、学資保険1本で持つ必要はありません。たとえば目標の300万円のうち、学資保険で200万円を確定させ、残りを児童手当の積立や貯金、余裕があればNISAでの運用に振り分ける。こうすると、親に万一があっても200万円は確保され、途中で家計が苦しくなっても解約せずに済む月額に抑えられ、増え方は運用部分で補えます。学資保険の月額は、家計が変わっても動かさない最低ラインの額にしておくのが、組み合わせの要点です。

月々いくらなら18年続くか、目標額をいくらに置くかを自分の家計の数字で確かめたい方は、オンライン無料保険相談の『保険ゲート』で、ライフプラン表を作りながら試算してもらえます。

学資保険はいつから入れる?何歳までに入るのがよいか

出産予定日の140日前から申し込める商品もあり、子どもの加入年齢の上限は商品によって差が大きく、6〜7歳までとする商品もあれば、9歳以上まで受け付ける商品もあります。その中でも早く入るほど月額は軽く返戻率は高く、加入が遅れるほど満期までの年数が縮んで月額は重く、返戻率は下がるという関係です。すぐ決められない間は、児童手当の振込先を分けて積み立てを始めておけば、あとで保険料の原資にそのまま回せます。

出産予定日の140日前から加入できる商品もある

学資保険は子どもが0歳のときから入れますが、出産予定日の140日前、妊娠6か月ごろから申し込める商品もあります。出生前に加入しておくと、生まれた月から保険料の払い込みが始まり、払込期間を目いっぱい使えるのが利点です。産後は手続きに時間を割きにくいので、妊娠中に比較・申し込みを検討する家庭もあります。妊娠の経過が順調であることが条件になるのが一般的です。

小学校入学を過ぎても加入できる商品はある。契約者にも年齢制限がある

遅いほうの上限は子どもの加入年齢で決まり、商品によって6歳から7歳までとするものもあれば、9歳から13歳まで受け付けるものもあります。同じ商品でも、祝金の有無や払込免除をつけるかどうか、契約者の年齢によって上限が変わることがあり、公式ページの年齢がそのまま当てはまるとは限りません。上限が高い商品でも、加入が遅いほど払込期間が短くなり、同じ300万円でも月額は重くなります。

契約者である親にも年齢の上限があります。払込免除という死亡保障を含む以上、契約者の年齢が高いほど保険会社の負うリスクが上がるからで、健康状態の告知も求められます。上限の年齢は商品ごとに違うので、祖父母が契約者になる場合は特に、加入できるかを保険会社に確認してください。

早く入るほど返戻率は上がり月額は軽くなる。モデルケースで確かめる

早く入るほうが有利なのは、満期までの年数、つまり保険会社が保険料を運用できる期間が長くなるからです。0歳で加入して18歳まで払えば、月13,228円で返戻率105%(仮定)。同じ18歳満期で加入が3歳、5歳と遅れれば、満期までの年数は15年、13年と短くなり、同じ払込総額なら月額は3歳加入で15,873円、5歳で18,315円、7歳では21,645円と重くなるうえ、運用できる期間が短いぶん返戻率は下がる方向に動きます。払込期間を10歳までに縮めると返戻率が上がるのとは、仕組みが違います。払込期間の短縮は、同じ0歳加入のまま払い終える時期を早めて運用に回る期間を延ばす話で、加入の遅れは、満期までの年数そのものが縮む話です。契約者と子どもの年齢が若いほど、保険料そのものも抑えられます。

学資保険の加入時期と月額負担の関係の図解。18歳満期に300万円を受け取る場合の月額は0歳で加入すると13,228円、3歳で15,873円、5歳で18,315円、7歳で21,645円と、加入が遅れるほど重くなる

すぐに決められないときの持ち方

商品を比べる時間が取れない、家計の見通しがまだ立たない。そういうときは、児童手当の振込先を生活費の口座と分け、その口座に手をつけずに積み立てを始めておくのが先です。児童手当の月1万〜1万5,000円はモデルケースの月額とほぼ同じ水準なので、そのまま貯めておけば、あとで学資保険に決めたときは保険料の原資に、貯金で行くと決めたときはそのまま積立になります。決めるまでの間も、積み立ては止まりません。

学資保険の税金。年末調整の控除と受け取るときの税

年末調整に学資保険の控除証明書を添えてよいのか、満期保険金に税金がかかるのか。保険料は一般の生命保険料控除の対象で、モデルケースなら年数千円〜1万円台ほど税金が軽くなり、会社員は年末調整、自営業は確定申告で申告します。受け取るときは契約者と受取人が同じなら所得税、違えば贈与税の対象で、親が払って親が一括で受け取る一般的な返戻率なら、特別控除50万円に収まり課税される場面は多くありません。

払っている間は生命保険料控除の対象。年末調整か確定申告で申告する

学資保険の保険料は、生命保険料控除のうち一般の生命保険料控除の対象です。控除額の上限は所得税4万円(国税庁タックスアンサーNo.1140)、住民税2万8,000円です(東大阪市「生命保険料控除の計算方法」)。ただし2026年分の所得税に限り、23歳未満の扶養親族がいる場合は一般の生命保険料控除の上限が6万円になります(令和7年度税制改正。住民税の2万8,000円は変わりません)。モデルケースの月13,228円(年間約15万9,000円)なら所得税・住民税どちらの上限にも達し、年末調整で控除証明書を提出すれば、税率に応じて年数千円〜1万円台ほど税金が軽くなります

会社員や公務員は、保険会社から秋に届く控除証明書を年末調整の書類に添えて勤務先に出します。自営業やフリーランスは確定申告で申告します。ただし、ほかに終身保険や定期保険に入っていて、その保険料だけで一般の生命保険料控除の上限に達している場合、学資保険を足しても控除額は増えません

受け取るときの税金は、契約者と受取人が同じかどうかで変わる

学資金を受け取るときの税金は、誰が保険料を払い、誰が受け取るかで3通りに分かれます(国税庁タックスアンサーNo.1755)。一時所得は満期金など一括で得た利益、雑所得は年金のように毎年受け取る利益にかかる所得区分です。

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契約者(保険料を払う人)と受取人受け取り方税金の種類課税対象の計算
同じ(親が払い、親が受け取る)一括所得税(一時所得)受取額−払込保険料の総額−特別控除50万円。その2分の1が課税対象
同じ年金形式所得税(雑所得)その年に受け取った年金額−対応する払込保険料
違う(親が払い子どもが受け取る、祖父母が払い孫が受け取る)一括・年金形式とも贈与税受け取った額(年金なら受給権の評価額)−基礎控除年110万円

モデルケースで確かめると、一括で受け取る300万円から払込総額285万7,143円を引いた増え分は約14万円で、特別控除の50万円に収まります。同じ年にほかの一時所得(別の保険の満期金や解約返戻金など)がなければ、課税される額はゼロです。一般的な返戻率の学資保険で契約者本人が一括で受け取る限り、所得税がかかる場面は多くありません。

一方、契約者と受取人が違う契約は贈与税の対象で、祖父母が契約者になって孫が受け取る形が典型です(国税庁タックスアンサーNo.4402)。個別の税額や申告の要否は、税務署や税理士に確認してください。

学資保険についてよくある質問

祖父母が契約者になれるか、子どもが2人いるときはどう入るか、受取人は誰にするか、郵便局やJAの学資保険は生命保険会社のものと同じか、途中で払えなくなったらどうなるか。加入を具体的に考え始めると出てくる、家庭ごとの事情に関わる問いに答えます。

祖父母が契約者になって、孫のために入れますか

できます。ただし3つの条件に当たります。契約者の年齢に上限があり、商品ごとに違うので、加入できる年齢かを保険会社に確認すること。払込免除の保障が付く以上、契約者の健康状態の告知があり、持病によっては加入できないこと。そして、祖父母が払って孫(または親)が受け取る形にすると贈与税の対象になり、年110万円の基礎控除を超えた分に税金がかかることです。商品によっては、孫との同居や扶養の証明、親権者である親の同意が求められます。契約者は親にして、保険料の原資を祖父母が年110万円の範囲で援助する形も選択肢の1つです。

子どもが2人以上いるときは、どう入りますか

1人につき1契約が基本です。学資保険は被保険者である子どもの年齢で受け取る時期が決まるので、2人分を1つの契約にまとめることはできません。目標額も子どもごとに決めます。上の子は300万円、下の子は200万円と貯金の組み合わせ、のように、きょうだいで差をつけても構いません。大学入学の年が2年続く、あるいは重なる家庭では、その年の出費が倍になるので、合計の月額が家計に収まるかを先に確かめてください。商品によっては、同じ契約者が2人目以降を契約すると保険料が割引になるものもあります。

受取人は誰にすればよいですか

原則として契約者と同じ親にします。理由は税金です。契約者と受取人が同じなら一時所得として扱われ、50万円の特別控除があるので、一般的な返戻率では課税されにくくなります。受取人を子どもにすると贈与税の対象になり、基礎控除は年110万円しかありません。受け取った学資金は親が入学金や授業料の支払いに充てればよく、子どもの名義にする必要はありません。離婚や家計の事情で変える必要が出た場合は、契約者や受取人の変更手続きを保険会社に相談できます。

ゆうちょ(かんぽ生命)やJAの学資保険と、生命保険会社の学資保険は同じものですか。どこで入れますか

同じ種類の商品です。郵便局の窓口で扱うかんぽ生命の学資保険、JA共済が扱うこども共済、生命保険会社の学資保険は、いずれも親が契約者、子どもが被保険者で、進学の時期に学資金を受け取る貯蓄型の保険という仕組みは共通です。違うのは、返戻率、受け取る時期と回数、払込期間の選び方、医療保障などの有無といった条件で、これは販売元の種類ではなく商品ごとに決まります。入れる場所は、生命保険会社の営業担当やウェブのほか、郵便局やJAの窓口、銀行の窓口、複数社の商品を扱う保険代理店です。代理店では、加入年齢・満期・払込期間の条件をそろえて、複数の商品の設計書を並べて比べられます。

途中で保険料が払えなくなったら、どうなりますか

解約の前に取れる手が3つあります。保険料を下げる減額(受け取る学資金も減ります)。以後の払い込みをやめ、それまでの払込分に応じた学資金に切り替える払済。解約返戻金の範囲で保険会社から借りる契約者貸付で、利息はかかりますが契約は続きます。どれも使えない場合に解約となり、払込期間中は元本割れします。減額や払済の可否と条件は商品ごとに違うので、払えなくなりそうな段階で、早めに保険会社に相談してください。

まとめ 学資保険なら、将来の教育資金を保障付きで計画的に貯められる

教育費の山は大学入学の年に来て、300万円前後を0歳から別枠で貯めると月およそ1.4万円、児童手当を貯めればその8割に届きます。学資保険は同じ300万円を月1万3,000円台で用意でき、増え方の差は18年で十数万円と小さい一方、親に万一があっても学資金が確保され、引き落としで確実に貯まる点が貯金と違います。向く度合いは、その保障を積立と一体で持ちたいか、月額を払い続けられるか、増え方をどこまで求めるかの3つの問いで決まり、全額を1本で持たず貯金や運用と組み合わせるのが現実的です。目標額と月額を自分の家計に合わせて決めたい方は、FPに家計の数字ごと見てもらうと決めやすくなります。

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この記事を書いた人

営業拠点73支店、取扱保険会社47社、コンサルタント1,700名超、実績10万件超、保険代理店のファイナンシャルアライアンス株式会社です。
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